◎弁護士 相談
「弁護士の利用しやすさの問題」
弁護士という職業の存在は社会で広く認識されているが、個人が実際に利用する機会は極めて稀であります。
弁護士の関与が望ましいはずの契約交渉、民事紛争処理等においても、可能な限り法的色彩を持たずに、当事者間の話合い等に
より解決することが望ましいという風潮が強い。裁判等の法的手段に訴えることが紛争処理の最終手段として一般に考えられて
おり、弁護士の関与も最後の手段の一部としての認識が強いです。おそらく、手間がかかる、時間がかかる、費用がかかったり
面倒というのが理由に挙げられると考えられます。
以前、弁護士は、職業の性格上、宣伝広告をすべきでないという考え方が一般的で、弁護士や法律事務所の広告は法律で規制
されていました。この規制は2000年10月より撤廃され、現在は大都市を中心に債務整理、破産手続等を担当する法律事務所を中心に、
広く一般に対する広告(電車やバスの車内広告、新聞、タウンページ、インターネット広告)が増えてきています。
弁護士報酬(依頼者が弁護士に対して支払う費用)は、原則として各弁護士が定めるものであって統一的・客観的な基準はなく、
同様に専門家のサービスの提供を受ける医療と比べても、保険制度(医療なら、医療機関を受診する際に使用する健康保険制度)
が存在しないことから、あまり明確に共通認識がなされていません。実際、個人の依頼者にとっては、その報酬(費用)は高額
です。(例えば、タウンページの広告やインターネット上の法律事務所のHPでは、大体、30分あたり5000円という相談料金が
多い。)
高額なイメージにより、資金面での不安から依頼を躊躇する人も多いのが現状です。
医療分野における公的保険制度の存在は、誰でも医療サービスを受ける可能性があり、かつ、受ける必要がある場合にはその資力
に関わらず受けることができなければならない、という社会的コンセンサスが背景に存在します。
これに対して、法律サービスにおいて公的保険制度がないことは、法律サービスについては同様の社会的コンセンサスがないこと
が背景に存在しています。
「資力の乏しい者が弁護士の援助を受ける方法」
日本司法支援センター(法テラス)による法律扶助の制度
「勝訴の見込みがないとはいえない」場合に、弁護士費用や裁判費用の援助が受けられます。
しかし、法テラスの援助は適用基準が不明確であったり、あいうえおの音順に地域の弁護士を紹介するのみだったりして、
援助は極めて例外的なケースに留まっているのが現状です。
また、日本人または適法に在留する外国人に限られ、難民認定申請や在留特別許可の申請、不法滞在者の労働問題などは日本弁護
士連合会が自主事業として援助を行っています。また、刑事事件では、被疑者となった場合に、1回に限り無料で弁護士の出動を
依頼できる当番弁護士制度、無資力の被疑者のために弁護士費用を援助する被疑者弁護扶助制度、刑事被告人に資力がないとき
に裁判所が被告人のために弁護人を選任する国選弁護制度などの制度があり、また一定の重罪事件については、被疑者段階でも
無資力の被疑者のために国選弁護人を付する被疑者国選弁護人制度が設けられているなど、各種の制度が整いつつあります。
もっとも、当番弁護士制度は弁護士自身の負担で維持されている状況であり、国選弁護人に対する報酬が低廉であること、
被疑者弁護扶助制度について十分に知られておらず、貧しいために被疑者段階で本来必要な弁護人の援助を受けられない者も
おり、捜査機関から弁護人を選任しないよう被疑者や被疑者の家族に対して働き掛けがなされるなど、問題点も多いです。
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